だが、隣のおじさんが 朝カラスが地面から様子をうかがっていたと聞く
慌てて紐を増やす 油断も隙もない
・・・が、今年から 新たな強敵が現れた
ある日の午前の仕事が終わりがけ 12時を過ぎたあたりである
ヨメが娘を抱いたまま必死の形相で院長室に飛び込んできた
蛇が出たと言うのである
「そんなもんで騒ぐな」
と、冷ややかに言う私 だが次の言葉に背筋が凍りつく
「そうじゃなくて、ヒナ」
慌てて走る 玄関に掛けてある刀を抜き外に躍り出る
傍から見たらただの危ないヤツだ
ヘビはどこか?
凄いモノを見てしまった
壁に張り付いている
こんな事があるとは聞いていたが・・・
垂直な壁にヘビ たしかに凹凸や溝はある
が、こんなに高く登れるものなのか・・・手も足も無いこの生き物が
動作は緩慢だったので、廊下から従業員に私の机の上にあるカメラを持って来るように頼む 仕事の関係だと思って持ってきてくれる従業員
だが、次の瞬間 なんてもの見せるんですか と泣きそうな顔で逃げて行った
もう一人の従業員が出て来てヘビを見る
そこまで大きくないですね、最近珍しい・・・と
こちらは冷静 ここら辺に住んでる娘である
複数の人間の存在を感じ取ったのか?ヘビは物陰に隠れた
その後、午前中に帰った従業員と午後から来た従業員が
蔭から出てきたヘビと、ツバメの糞受けの新聞紙の上でヘビを見たと後に証言
事態はここで収まらなかった
午後になり気になって仕事の合間にヘビが居ないか観に行く私
凄い光景を目にした
カラス除けの紐をヘビが伝っていた どれだけの時間をかけたのか解らないが
ツバメの巣まで数メートルに迫っている
だが、この妖艶なる姿 美しいぞ
カラスは行動時間が決まっているし、結局の所知恵比べを制すれば勝てる相手だ
だが蛇が相手だとタチが悪い 時間は関係なくひたすら獲物を狙う
ヘビの執念深さ ようやく何であるかが解った
結局、紐を切ってヘビを追い払う
あるモノの中に隠れたのでそれごと引っ越して戴いた
ツバメ食べたい気持ちも解るけど、ここら辺に沢山居るカエルで我慢して下さい
彼?彼女?はここら辺に以前から居る青大将だろう 久しぶりに見た姿は大きくなっていた
彼女が居なければ鼠が増えるかも知れん せせらぎと言う名のエンゾロがあるからドブネズミの存在が怖いし
何より以前から居るヌシだ 殺しちゃいけない
この後、タバコを浸した水を撒きました ヘビが嫌いと聞いたので
そういえば、この日の朝 ヘビに襲われる夢を見たのである
正夢になってしまったなぁ・・・