昨日の続き 微生物学のレポートの提出を明日に控えてレポート用紙がない
友人みやけんに分けて貰おうとしたが、彼の手に握られていたのは便箋だった
「いくらなんでもそんなもんに書けるか! 他の奴に貰うわ 常識でモノ言え バーカバーカ」と毒づきたかったが、その時の彼からは(めずらしく)悪意は一切感じられなかった
なので、上記の内容をオブラートにちょっと包んだ捨て台詞を残し他の奴らにレポート用紙を貰おうとしたが・・・
なぜかそんな日に限って誰も持ってねぇ
あの頃は24時間やってるコンビニが近くに無かったんだっけ?
車持ってない私には天気悪かったのか、どっちか忘れたが
兎に角もレポート用紙は手に入らない、ノート破くのは如何にも厳しい微生物の教授相手には出来ない行為
大学生活で一番好きだった教授なのだが、いかにもネチッこくて厳しい先生であった事も事実だ
お元気かなぁ、あの教授
妙にE・coliが好きで「これは大便からしか出てこないんだぞ、わかるか?ウ○コだ」というセリフは何回聞いたか判らない
この教授が実習の時にピペットで梅毒スピロヘータ吸いこんで「ウッ!」って言って実習室出ていってその日はそれ以来帰ってこなかったと言うのは
伝説になってんじゃないだろうか?
だが、人情味が強く 学生の顔は全部覚えているような人だった
顔を憶えているだけに下手な事は出来ない
だがここに来て、私は究極の選択を迫られた
注意深く破いたノートにレポートを書くか、レポート用紙みたいな便箋に書くか
まあ、まだしも後者がマシだろう
この時にパソコンがもっと普及していれば、レポート用紙なんぞに困らなかったのに・・・
ほんの少し前に捨て台詞を残して去ったみやけんの部屋に行き
えらそうな謝罪をして便箋を分けて貰う
「念のために言っとくけど、俺がレポート用紙無くて便箋に書いたなんて誰にも言うなよ、っつーか言っちゃイヤ」
と念を押して部屋を出る
その後、内容すら憶えてないおざなりなレポートを 後に本人さえ解読に困難するような下手な字で書きあげて事なきを得た
・・・つもりであった
その日の午後の実習・・・実習は前の席に超悪友たちが座る事になるのだが
悪友 関向とシュンが会話していた
「お前、微生のレポート出したか?」
「おう、ちゃんと書いたぞ レポート用紙に」
「そうだよな、俺もレポート用紙に書いたぞ」
と、妙に意味ありげな会話をわざわざ聞こえるように
で、後ろの方の席で声を出して笑っているみやけん・・・喋りやがったな
しかし、好意で差し出した便箋を軽くののしられ その後にずーずーしくそれを借りに来て・・・
こんな面白い事 俺でも絶対約束守んないだろうな~と後から思った
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