歯の痛みとは耐えがたい苦痛である
しみるくらいならまだいいが、自発痛を伴うと発狂しそうになるものだ
いや、現に発狂しているとしか思えない行動をとる者もいる
ある国では、歯の痛みに耐えきれなくなり拳銃で歯を撃ち抜いてしまったという話がある
もっと痛くなるし、普通の歯医者じゃ処置できんようになるわ
痛くなくても気になるものだ
例えば、歯の間に物が挟まると気になってしょうがない
「奥歯に物の挟まったような」
とは巧みな表現であろう
また、歯の知覚とは存外に鋭いものである
髪の毛1本を正確に認知する
そんな事が出来るのは指先と口の中くらいである
これは、歯と歯茎の骨(歯槽骨)とを繋ぐ、歯根膜の感覚が鋭いからであるが、別に歯で噛まなくとも、口の中に髪の毛が入ったらすぐわかる
口の中とは非常にデリケートにできているものだ
我々もそのような部位を取り扱う職業であるから気を使う
髪の毛1本の狂いが許されないのである
私のような武骨者がよくやっているものだ
が、当然患者さんにはこんな知識がない
よくある話だが、入れ歯にした人 特に爺さんに多いが
「痛かったのでヤスリで削った」
と・・・大工さんによくいる
しかしながら、痛い部位というのも正確には判るものではない
口の中のこの部分が痛い・・・
患者さんが指さす部位から、実際に傷がある部位まで
数センチ離れている事は珍しくもなんともない
そんなのを自分で削るものだから大変な事になる
削ってもまだ痛い、さらに削る、まだ痛くてさらに削る
ようやく部位がズレている事に気づき別のところを削る
そこで正しければよかったのだが、また外したトコを削る
とんでもないことになってしまった・・・
なんてのもそんなに珍しいケースではないのだ
歯医者来て下さい、そんな事になる前に と・・・これは実際口に出して言う
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