何年か前のことである
久しぶりに岩手のゆだ高原の店 Mi森の市場に行く。
運良く店長がテイスティングしたばかりのワインが残ってたりすると、テイスティングをさせてくれる。
ワインのテイスティングと言えば、口の中で転がして最後は飲まないで吐き出すものだが、そんなお行儀の良いことはしない。
しかし、この日出されたものは何かが違う・・・
トロッケンベーレンアウスレーゼのビンに入れられたこれ・・・・
いったい何?
注:トロッケンベーレンアウスレーゼ 世界3大貴腐ワインのひとつ
葡萄の天敵である灰色カビ菌がぶどうに付着しながらも、ある条件下で
最高の甘口ワインができる。葡萄の木1本から1瓶分しか取れないこ
ともあるという・・・
すごい甘口、オーディンがヴァルハラで飲む蜂蜜酒とはこんなだろうか
などと想像させられた。
確かに、甘口のワインのようにも感じられるが決定的に何かが違う・・・
少し濃い目の黄色、そしてこの味は知っている。
しかしなんだ?思い出せない。
「店長!これは私知ってますよ!」
でも、何かが判らない。にやけている店長・・・
落ち着いてもう一度飲む。記憶をイメージしてみるが、うまくまとまらない
出てくるイメージは実家の正月・・・なぜ?
「いや!絶対知ってますよ!」
意地になるが思いだせない、なんだろう?これは、この酒は・・・
結局降参して店長に教えてもらった・・・
なんと、ミリンである。本格味醂
どおりで実家の正月を思い出したわけだ、あれは正月料理に使ってたミリンを連想していたのだ。
しかしミリンってあんなに美味いものだったとは・・・ストレートで飲んだことなんてある訳も無いんで知らなかった。
そう思って家にあるミリン飲んでみたが美味くない・・・
どうやら相当いいミリンだったようである。
で、半年くらい経ってまたその店に立ち寄った時
店長が席を外していたので奥さんが
「何か飲んで待っててください」
と冷蔵庫にあったボトルからワインを1杯注いでくれた。
ゴクリと飲んで気付く
「すみません・・・申し上げにくいですが、これミリンみたいです」
どうやら、店長 ずっとこんなことして遊んでるようだ。
私はもう騙されないぞ。
で、それから何年か経って・・・・
漫画「バーテンダー」で同じことやってやがった。
誰だよ、あんな悪趣味なこと最初にやった人は。
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