少し前に新聞で取り上げられていた歯科の薬品である
次亜塩素酸ナトリウムと3種類のアミノ酸で虫歯の歯質を溶かし タービン等で削らずに治療するというものである
患者さんにとってはあのタービンの「キュイ~ン」という音は、恐怖をあおる以外の何物でもないだろう それを使わずに虫歯を溶かしてしまおうというものである
初めてそれを聞いたのは、確か平成10年だったと記憶する もう12年も前だ
マスコミで取り上げられた、スウェーデンだかで作られて、とある開業医で使用されていたものである あの頃はキャリソルブと言われていた
医局でも皆が興味を持ち、早速入手して使ってみた
・・・が、結果
これは使えないものだという、ほぼ統一見解だったと記憶する
重度の虫歯だと取りきれないし、そうでない場合も、結局は歯の形態を考えると削ったほうが良い治療になりやすいとか・・・
時間もかかるようであるし
まさかウケの悪かったカリソルブが、12年も経ってから薬事申請されるとは思わなかったが・・・
しかしながらマスコミの報道を患者側は鵜呑みにしないで貰いたいと思う
全ての症例に使えるわけではないし、魔法の薬ではない
かなり症例を選ぶのが事実である
そもそも隣接面(歯と歯の間)の虫歯には使えないのだ
しかも、保険適応ではない
患者さんから多額の金銭を受け取って、結果 保険治療をした方が良い結果が得られたはず・・・なんて事が起こっては目も当てられない
やるならしっかりした良い治療を施す
それが歯科医師としての義務であろう
いや、カリソルブがダメだと思っているのではない
あくまでも使える人、使える虫歯がかなり限定されてしまうものだという事を
マスコミの方もきちんと報道してほしいよなぁ・・・
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