歯をいっさい削らずに治す そんな歯医者があるという
患者はそういうのに弱かろう
近年のセメントの接着力
あるいは3Mix等の薬剤の発展によって今まで出来なかった治療が少しずつ出来るようになっていることは確かだ
3Mixは以前に新聞にも出ていたくらいなので、知っておられる一般人も居られよう
3種類の抗生物質を調合して、虫歯の菌の働きを止めるというもの
そもそもが、削らずに治す歯医者ってハナシは太極拳の合宿に行った時に兄弟子たちが口をそろえて言ってた事だ
しかしながら・・・
あれは「確実」な治療法ではない
必ず「菌」の働きが止まってくれるものではないのである
その薬はウチでも使っている
もしかしたら私は、他の先生よりも使っている歯医者かもしれない
しかし私はあんなものを「絶対視」したりしていない
「リスクはあるがやってみる、もしかしたら成功するかもしれない」
と、説明して使っている
正直に言うが削らずに「より良い」治療など現在の歯科医療では不可能だと思う
それをあえて「削らずに治す」というのは
私に言わせれば患者に媚びているだけだ
媚びれば金が手に入る やりたくなるのは解る気もするが・・・
そんな治療は「臭いものに蓋」をしているだけの治療に見える
患者など何も知らない存在である
そもそも我々が6年の教育とその後の修行により理解したことを
ほんの数分のやり取りだけで、1/1000だって理解させられるワケがないのである
媚びるというのはそこに「付け込んでいる」に過ぎない
「副作用」のない薬はないし、「侵襲」のない外科処置もない
患者が「無い」と思い込むのは勝手だが、言葉巧みな医者の誘導でそう思い込んでいるだけというのが現実だ それを出来る医者を一般に「名医」と言うのだが
で、最近衆議院が解散して世間が騒がしい
ここぞとばかりにマニフェストを公開する党が出てくるだろうけど・・・
「副作用」も「侵襲」もなく患者が治るハズはない
国民に都合のいいことばかりを並べたてて国民に「媚びる」党が
果たして国を「治す」事が出来るのだろうか?と・・・
自分の仕事を顧みるに、はなはだ疑問になるのである
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