学生時代はいろんな講義があった、当然好きな先生もいれば嫌いな先生もいる。
学生ウケのいい先生、悪い先生がいる。
その中で大好きな教授がいた。
微生物学の教授であった。
昔のNHK喉自慢の金子アナウンサーによく似た顔の教授である。
この教授が、えらく説教が好きだった。
授業の初めは説教からだ、低い声でねっとり喋る感じ、マネをするなら少し口を横に開き気味にすればいい。
そんな声で説教するものだから、たまらない。
しかも、説教の内容は 痛いところを的確に突くのだ。
事実、その教授を嫌う学生も多かった。
「あいつ頭おかしッスよ!」怒り気味に言う後輩もいた。
不思議なもので人間、ウソをつかれた時に喜び、本当のことを言われると腹を立てるものだ。
例・・・・40代女性が髪を茶色にしたとき。
A氏 「あ、随分似合いますね。20代でも通用しますよ。」
B氏 「あ、茶髪にしたんですか、白髪染めのカモフラージュですね。近付くと目尻のしわで歳がバレバレですね、アァ~ハッハッハ(郷ひろみ風)」
嘘つきなA氏のほうが、人を怒らせないだろう。
そんな訳で教授を嫌う学生もいたが・・・
しかし、この教授・・・どうにも人間味があるのだ。
すれ違う時に挨拶すると、忙しそうでも応じてくれるし 試験の日、教室の前でソワソワしていると
「ん?今日は何の試験だ」とねっとり話しかけてきたり。
試験の前に、授業の前の説教でこのようにもおっしゃった
「君たちの事をたかが年に2回の試験で判断しようとは思ってないから」
授業中
「このように、E. coli は大便からしかとれないの んん?わかるか、ウ○コだ」
わざわざ言いますか。この時、固まっている私と教授は目があっていた。
ピクリとも動かない私が、理解していないと思ったのか、教授は念を押す。囁くように
「ウ○コ」
はっはい解りましたとばかりに頷いておいた。
しかし教授、大便という別名くらい小学生で覚えましたが。
ある日、講義の前に出席を取っていた。
「赤沼」 「はい」
「井上」 「はい」
「宇治田」 「は~い」
「金田」 「はい」
「木場」 「はい」
ピタリと止まる、そして大きなタメ息をつき言った。
「ダレダ今の は~い なんて間の抜けた返事したヤツは あぁ?」
あ~あ宇治田怒られる、怒られるぞ宇治田
「宇治田か」
ばれた・・・しかし教授の口から出てきた言葉は意外だった。
「馬鹿」
そんな、ケンカに負けた子供の捨てゼリフのような・・・
みんな笑ってた
でも、こんな教授が好きだった。
その日は皆で真似して遊んでました。
「宇治田か・・・・馬ぁ鹿」って
誤字
Re:誤字
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