さて、だいぶ前の話になってしまうが5月5日は休日当番をやっていた
患者さんが予想以上に来る その数20人
この日はスタッフを交代制にしていたのだが間違いだった
全員をまる1日出勤させれば良かったと悔やまれたくらい忙しくなる
だいたい初診の患者さんというのは少し時間がかかるのである
問診して、現在の症状や全身状態の把握やら
そして保険証を確認してコンピューターに登録
しかも休日当番をどこで知ったかなどアンケートを歯科医師会に提出しなきゃならなかったり・・・
で、いざ診察となってレントゲン撮ったりして原因をつきとめて
やっと診療・・・
これを20回繰り返すと結構疲れる
普通に患者さん20人診るのの3倍くらい疲れた気分だった
休日当番は応急処置がほとんどであるので楽といえば楽なハズだった
薬出すだけとか、腫れたところをちょっと切るだけとか・・・
しかしながらこの日多かったのは「抜髄」処置
要するに歯の神経を抜く処置である しかも大臼歯(奥歯)ばっかり・・・
神経を抜かなきゃいけない場合、これは多くの場合「虫歯をほっといた結果」やらなきゃいけなくなる治療である
そーゆー人多すぎ、えれぇ疲れたわ
しかも、大学でこれが専門の医局にいたせいで
どうにもこの治療で手を抜くのが嫌なのである
お蔭で時間がかかるかかる・・・指の力なくなってきた、最後のほう
だが、考えてみればこの抜髄処置・・・
よく人類はこんなこと考えだしたものだと感心する
神経抜いてまで歯を使いたいと言う 一種のあさましさが作り出した医学処置であろう
たとえば、「先生、腰が痛いんです」と言われて「では脊髄をとってしまいましょう」等ということはありえない
人の歯だからこそ行う野蛮な処置である
他の動物が歯を患った場合は躊躇なく抜く
先輩のうちの犬が何かをかじって歯が欠けたらしい
獣医に行ったら全身麻酔で歯を抜くことになった
先輩が「抜髄」しようかと申し出たが止めることになった
まあ、獣医の概念に「抜髄」がないからだろう
「ココ」という名の有名なゴリラが居る
このゴリラは喋るのだ、手話を使ってかなりの意思疎通が可能なゴリラらしい
そのゴリラが「歯が痛い」と訴えた
正直そこまで意思の疎通が可能なゴリラなら抜髄してあげればいいんじゃないかな~とか思うところであるが・・・
結局この時も痛い歯を抜いたとか
歯の神経を抜いてでも歯を残して食べ物を美味しく食べることができる人間
ありがたいと思わなくてはいけない
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