先々月のことであるが・・・・
ついにできた!
過去最高のものであった。
入れ歯である
上の総入れ歯(総義歯)だ、
まあ、上の入れ歯は下に比べて作りやすい・・・
しかしながら、それにしたところで ここまでの出来の入れ歯は歯医者をやってて初めてであった。
今までの勤め先でもここまでのものはお目にかかってない。
まあ、色々な条件が偶然的にそろったのだろう。
この人の歯茎の骨が結構丈夫だった事。
昔からの知り合いで若い頃の顔や歯並びを知っていたので歯科技工士への注文がしやすかったこと
型取りや模型の材料の変形が偶然少なかったこと、
この変形はミクロン単位で、しかも天候や気温が大きく関与する。なかなか難しいのだ。
そして、義歯の完成時の寸法変形が偶然少なかったのだろう。
様々な偶然がこの奇跡的な義歯を作った。
正直入れ歯、特に総義歯は苦手であった。
しかし、この田舎は総義歯の来院者が多い。
好きだの嫌いだのと言っていられる状況ではなかった。
本もたくさん読んだ、色んなことを試したが・・・
開業した最初の年で悟る・・・金をかけるしかない・・・と。
といってもこちらの負担だ、来院者の支払いは全く代わらない。
従ってこの射水市のほたる野歯科医院では、入れ歯が入るまでは完璧に赤字であるのだ。
金をかけるのは型をとるときの材料である、精度いいものは高価い。
しかし普通のものとは吸い付きが変わる。
そして、今回この最高傑作を作ることが出来た。
「正月にモチ食べても大丈夫ですよ」
今まで言ったことがないセリフだったが堂々と言えた。
それくらい吸い付きがよかったのだ、どこかに引っかかってしまったかとビビッたくらいに・・
これから作る入れ歯はこれが目標になろう・・・
しかしちょっと困ったことがある。
あまりに出来がよかったので、これ以降の入れ歯がちょっと物足りないのだ。
「いや~先生、ありがとうございます。」
こう言って頂いて嬉しいのだが、こちらがもうちょっとやり足りない・・・
いずれ高確率であの時の入れ歯を作れるようになる・・・・
これが目標である。
日々
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患者の満足する入れ歯
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職人っ
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