昔見たアニメ、「いなかっぺ大将」の主人公 大ちゃんが語尾に「~だス」と言っていたのを憶えている。
小さい頃は何も考えずに楽しんでいたが、そのうち気になる。
「いったい大ちゃんはどこ出身だ?」
しかし、そんなことはすっかり忘れてしまっていた。
ある日、大学を卒業しペーペーだった頃 秋田県の某病院に出張で入った。
このブログにリンクのある「田舎の走る歯医者」その先生の勤めておられる病院だ。
そう、走る歯医者先生は私の師匠である。
その病院で患者さんを診たとき
これは、もうどうしょうもない歯だな 抜かなくてはいけない。
「○○さん、この歯はもう抜かなくちゃいけないですねぇ」
と言った。
患者さんから帰ってきた返事はこうだった
「あぁ、んだスか」
ここか!
大ちゃんの「だス」発祥の地は秋田県だったらしい。
長年の謎が解けた瞬間だった。
その後、私は1年半ほどその町に住むことになる。
そこで知ったのだが、「だス」は最上級の敬語らしい
その下に「だぎゃ」があり、これもある程度の敬語らしい。
ある時(診療中)の会話
私「痛くないですか?」
患者さん「はぁ?」
私「痛くはないですか?」
患者さん「はぁ?」
私「だから痛くはないですか?」
患者さん「はぁ?」
見かねたスタッフが患者さんに言った
「いでぐねぎゃ?」
あっという間に通じた。むう、勉強が足りなかった。
しかし、あの地にはさらに「だびょん」という語尾変化がある。
遂に使えないまま富山に帰ってしまった。
方言の精密さは土地の人間しか判らないものだ。
方言の奥深さ
Re:方言の奥深さ
この記事にトラックバックする