歯の治療で困ることの一つが色である
だが、特に前歯の色となれば結構気を使わなくてはいけない
日本人に多い色というのがある
これだ
ほとんどの人はこの色でいいのだが、やはりこれは「平均」にすぎない
これを濃くしたり、薄くしたりする必要がある
タバコを吸ってヤニがべったりついている人となると、その色をとってから治療してみたり
またホワイトニングをやっていて白くしている人もいる
治療後にホワイトニングを希望する人は、ある程度白いものにしておくこともある
さらにホワイトニング後に、思ったより白くなった人はやりなおすことまである
また、この色とは系統が全く違う系統の人もいて、これが困りものだ
かぶせものの色がどうしても合わずに2回ほど作り直させてもらった事もある
かくいう私も日本人離れした色をしている
学生時代にポーセレンを入れて治した
先輩に削って貰って、先輩の実家の歯科技工士さんに作って貰った
が、その色を見て先輩のお父さんが
「俺は長い間歯医者をしてるけど、こんな色の患者など見た事がない」
と、言って全然違う色で作ってきやがったのだ
ヤブ医者め たまに見るぞ、同類を
まあ、これくらい色があるのだからたまらない
色を選ぶ時はこの中からチョイスしたり、色見本と患者さんの歯を並べて写真を撮って技工士に頼んだりと苦労があるのだ
だが、現代なら写真など撮って選ぶが昔は大変だったことだろう
「四十八茶百鼠」
と言うのを聞いたことがあるだろうか?
茶色が48種類 ネズミ色が100種類あったとかいう
本当にそれだけの種類があったのかは知らない 単に語呂が良かったのでそうなったのかも知れないが、とにかく多かったのだろう
着物を作る時などその中から「〇〇茶」とか、「〇〇鼠」とか言って、色の指定をしていたワケか?
だとしたら、昔の人って今の歯医者よりもよっぽど色彩感覚が鋭かったんじゃないだろうか?と思ってしまう
私は色を決める時は従業員にも見せて聞く
私と一致すれば良し
だが、難しい色の人は従業員を3人全員呼んで決めることもある
色はA-3とかB-1とかいう言い方なので「四十八茶百鼠」のほうがカッコいいかもしれないな・・・
PR