成績優秀で意外なのは弟である。
こいつの成績を聞くと本当に兄弟か?と思うくらいである。
全国の模試で一桁の成績だった模様・・・
まあ、しかしこいつは社会性もなく酒も飲まない。
趣味と言えばTVゲームで、ドクターにならなければ、社会的な引きこもりでしかなさそうな感である。
なにか、人として大切なものが欠如しているのではないかと思う一面もあるのだが・・・
しかしながら成績優秀というのは凄いことなのだ。
多少の欠点なんぞ、すべてを許してもらえる感じであった。
こいつは私が卒業した後、同じ大学に入ってきた。
岩手医大も特待生の制度くらいあればいいのにな・・・
私は岩手にはちょくちょく帰っていたのでこいつの部屋に世話になったことも何度もある。
彼が六年生の時、試験中に行ったこともあった。邪魔してどうする・・・
彼が勉強している・・・机には向かわずベッドの上で本を読んでいるところは真剣そのもの・・・鬼気迫る感じがあった。
しかし、こいつも別に心配するような成績ではない。
「また一番狙ってるのか?」
と何気に聞いたらすごい答えが返ってきた。
「どの問題をわざと間違えようか悩んでるんだよ」
何?それは・・・
どういうことかさっぱり解らない。
よくよく聞いてみた、するとこうだった。
卒業試験で1番の成績の場合、卒業式でみんなの前で何か読んだりしなければいけない可能性がある。
社会性の無い弟はそれが嫌なのだ。で、1番をとらずに3番目くらいに落ち着こうと言うハラであるらしい。
それには他の連中が、どのくらいの正答率で、どの問題を間違えたほうがいいのか・・・それを必死で考えていたらしいのだ。
そんな勉強の仕方がこの世に存在したことを初めて知って衝撃だった。
しかしながら、オーケストラで指揮者などしていた私は、人前で喋るのに全く抵抗は無い。そして人より上手い自信がある。
何か読めと言われれば緊張せずにやってのけることだろうに、そんなものとはとんと無縁だった。
ん~世の中面白くできてるな~と感じてみたり。
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