この季節になると、なんだか日本酒を飲みたくなる。
純米吟醸のいいところを冷やして・・・なんてのではない。
富山県民御用達の酒、清酒立山を燗して飲む。
燗はぬる燗が一番好きである。
もともと猫舌だからだろうか、熱燗は苦手だ。
「上燗屋」という落語がある。「熱なしヌルなし上燗屋でございます」と言っている。最も好まれる燗かもしれない。
最近は熱燗は何℃で上燗が何℃、ヌル燗は何℃で人肌が37~8℃
とか、やたら区別したがるようだが・・・
非常~に無粋だと思う。
そんなのは、徳利から猪口に注いで口元に運び、
その香りを五臓六腑に染み渡らせて、
チュ・・・っと口に入れたときにどう感じるか・・・である。
で、好きなのはぬる燗だが、好きだと速いペースで飲んでしまうので体に良くない。で、上燗くらいにしたのをちょっとづつ飲むのである。
暖房入れてなく少々肌寒いこの時期が一番旨い。
で、肴にはこれ
イカの黒作りである。
これをやるとしみじみと富山に生まれて良かったという気持ちになるのだ。
コレを食べると、普通の塩辛は物足りない。
そういえば、食卓に黒作りは出ても、赤作りなどは出たためしがない。
岩手に居た頃はやたら目に付いた「イカの塩辛」だったが、富山県人は舌が肥えてるのでお口に合いませんな。
県外にお土産に持ち出される黒作りやホタルイカの沖漬けなどは、少々こってり甘く仕上げられているが、県民が気軽に食べるそれは少々サッパリとしていて辛口なのである。
黒作りはホタルイカではなくイカに限ると個人的に思う。
「ホタルイカが大好物」
って県民は考えてみたら知らないな・・・
旬の物だから少々食べようって人ばかりだ。
有難がってるのは他県民ばかりじゃないだろうか。
こんな事があった。
冬から春にかけて、岩手で仲間が集まって飲むのだが、入った居酒屋で皆がホタルイカのしゃぶしゃぶを注文しやがった。
なぜ岩手くんだりまで出てきてホタルイカをしゃぶしゃぶなんぞで食わにゃあならぬのか・・・
その場に居た私とオランダの博士(富山出身)は結局鍋に箸入れることはありませんでした。
あたりまえじゃ。
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