昨日の続きである。
たった11小節だけの出場、しかし、そう決めて数ヵ月後に・・・
岡山在住のパートリーダー赤松君から電話がかかる。
「ああ・・・自分、序曲にも乗ってくれへんか?」(彼は兵庫出身)
「・・・序曲?確かフィンランディアやったな?・・・小さいファゴット持って行かなアカンやん?」(富山弁は中途半端に関西風味が入る)
「ん~しゃーないんよ、前のパートリーダーから言われとってな・・・
あいつには必ず小さいFg持って来させろ、さもなくばスグにサボるヤツやから、ゆーてな。」
読まれていた・・・まあ、それが面倒だったわけだが・・・
しかし、フィンランディアはその年に岩手医大のオケで私が棒振ることになっているわけだから・・・勉強にはなるだろう。プロの指揮目の当たりにするわけだし。
楽器持って行くのは重いけど、しょーがないかと引き受けた。
これで、伝説を作るのはパーになったわけだが・・・
それにしても、まだ伝説にはギリギリストライクゾーンをかすめる程度にはなるんじゃないかと思っていた・・・
が、その1ヵ月後位にまたもや赤松君から電話がかかる。
そーいや、この時分ってまだケータイはそんなに普及してなくて部屋の電話だったなぁ・・・岡山遠いわ。
「ああ、悪いけどサブメインの眠りの森(の美女)も乗ってくれへん?ついでにアンコールは展覧会の絵の最後2曲でコントラあるんやけど、君吹くしかあれへんやろ」
全曲乗りやんけ!
「あの~赤松さん?それでは練習とっても厳しいと思うんですが?
合奏と木管分奏で、ダブってたりすることもあるんですよね?
それ以上に暇な時間に温泉街に出かけて白玉入りの抹茶金時食べて優雅に過ごす時間はどおなるのでしょう?」(注:そんなことやるのは私くらいである)
「ああ~そやな~考えてへんかったわ。まあ、頑張りや 人おらへんからしゃーないんよ。」
鬼かこいつ・・・
だが、結局私は全曲乗ることに決まってしまったっけ・・・
合宿場所は石川の山中温泉・・・岩手から行く時は実家に帰るのと同じルートでいいので分かり易かった。
合宿は、合奏場には分奏出てるフリ、分奏場には合奏行ってるフリをしてサボった事はいまなお人の知らぬトコであろう。
結構良いとこでの合宿だった。
本番はなんと、日本一を言われる大阪のシンフォニーホール・・・
でも、芸術劇場やプラバホールの方が良かったな、日本一って自称なんじゃないか?と思ったり・・・
本番前はきつかった。通しの練習リハーサルとゲネプロをフル出場ってのはなかなか体力が必要だったな。
次にどの曲やるのか解らなくなりそうだった。
で、たった11小節しかやらなかったバルトークの「オケコン」だが・・・
結構すみずみまで憶えてるもんだと思いながら久しぶりに聞いた。
N饗の演奏もユニークで良かったな。
棒振れるかもしれん・・・ておこがましくも思ってみたり。
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