医方に古今なし

我が医院にはスタッフが作ってくれている掲示板が４つある
これはそのうちの一つ
少し前からこのような内容なのだが

食後すぐの歯磨きは危険
 
象牙質を傷つけるために食後３０分くらい経ってから歯を磨いた方が効果的なのである
特に知覚過敏があるような人は、症状を悪化させるのだが・・・
 
これが大々的に発表されたのは去年の事だ
それまでは、食後スグに歯を磨く事が推奨されていた
虫歯の菌が活躍しないうちにプラークを除去するのが効果的
・・・とか何とか云う理由で
 
多くの歯科医院でも食後すぐの歯磨きを推奨していたと思われるが
この発表以来、掌を返したように
食後すぐの歯磨きはダメ
というようになった事だろう　ウチのように
 
それまで正しいと言われていた事が、誤りとなる
昔は最高の治療法と言われていたものが　禁忌と言われる
だが、これが医学の進歩である
 
公式では、世界で初めて全身麻酔下での手術を成功させたと言われる
江戸時代の日本人医師はこう言ったと云う
「医方に古今なし　ただその智を致すにあり」
 
余談だが、正確な記録があるお蔭で世界初と言われているだけであり
実際にはマヤ文明で全身麻酔の手術はあったと言われるし
なによりも、三国志は魏の曹操の主治医の華佗は全身麻酔下で開頭手術をしたという
上記の日本人医師は　日本の華佗を目指す　と言っていたと云う
１０００年前にその技術があったと云うのは驚きであるが・・・
 
話を戻す
「医方に古今なし　ただその智を致すにあり」
医学には古今はある　昨日正しかった治療が明日には間違いだとされる
それが医学の進歩である
我々は、その医学を深く理解し提供するだけである
 
その智を致すにある
貪欲に智を欲する
智に飢えた歯科医にならないとイカンな・・・