何度か書いたが、私は岩手医科大学のオーケストラの他に
全日本医科学生オーケストラ 通称医科オケ
北日本医科学生オーケストラ 通称北オケにも参加していた。
初めてそれに出たのは大学の3年の頃だったか?
私の大学オケ時代は、別にバラ色で語れるものではない。
当時の私はオーケストラ部に嫌気が差し、周りの人間の全てが憎しみと侮蔑の対象にすら感じる・・・ようするにスランプの状態だった。
そんな折、同じファゴットパートの先輩 O津さんに、誘われるまま、3月の北オケに出場した。
そこで出会った他大学の人達から受けた感動と刺激は忘れられるものではない。
あの時以来、私のオーケストラに対する姿勢が変わっていったのだ。
北オケで知り合った、Fg(ファゴット)パートの井之口さん、蜷川さん こんなに上手い医科学生が存在していいのか・・・という方々に有難くも声をかけていただき、その後8月の医科オケにも出場した。
医科オケ、北オケの出場は卒業まで続き、今なお定期的に開かれる飲み会(同窓会と言ったほうがいいか)には参加している。 前回は今年の2月に名古屋で集まった、N響の和久井先生などがいらっしゃる。
卒後一年半くらい経って、入局した同大学の第一保存科より、長期出張で
見知らぬ土地に一人で赴く、盛岡からそう遠くないので、淋しさのあまりしょっちゅう帰って来ることにならないか・・・と思っていたが。
なんと、その横手のとある病院に 慈恵医大出身の医オケの先輩 前述の井之口さんが、やはり出張で住んでおられた。
なんだか、日本中 どこにでも医オケのネットワークがありそうだ。
横手はいい街だった、綺麗な町並みに古い歴史。人情味もあり、メシもうまく飲み屋も多い。駅前に温泉がある(ゆうゆうプラザhttp://www.yokote.co.jp/yuyu/)、夏は温泉につかり、サウナでのぼせた後に帰り道の居酒屋で生ビールを飲んで帰るのだ。
井之口さんともよく食べて飲んで遊んだ。
ある日、井之口さんに誘われ食事に行った。
焼肉とビールを飲んで食ってだ、しかも井之口さんのおごり それが終わったら井之口さんがこうおっしゃる
「お前は甘いものも好きだよな」
そう、私は酒も好きだが大の甘党だ
「ええ、もうダイスキですよ」
「よーし、じゃあなんか食べに行こう」
店を変えて、横手プラザホテルのラウンジでアイスクリームをご馳走になる。
なんか今日はやたら気前がいい・・・いいことでもあったのか?
でも、まあ幸せな気分でアイスクリームの最期の一口まで残さず食べた。
直後のことだ・・・
「ん~、お前 今年の10月の連休は何か予定でもある?」
「え?いや、まだなにも・・・」
「そうか、実はな 医オケの木管連中を集めて演奏会やろうと思ってるんだよ。俺が幹事で・・・で、まあ色々仕事があるわけだ。こんな横手でめぐり合ったのも何かの縁だよな」
・・・・・やられた、この方は私がデザートの最後の一口を食べ終わるまで 待ってたのか。
どおりでやたら気前がいいと思った。
やりますよ、手伝いくらい・・・吐き出すわけにもいかないし。
医オケの面子が集まるんなら、しかも小さいけどホール借りて演奏つき。
嬉しいじゃないですか、チックショーこのおやじめ。
で、少々手伝いをして、10月に皆が集まる
いつも大切に思うのは演奏の後の宴会だ。演奏はそのためにあると言っても過言ではない。
他大学の者たちが、こんなにうちとけるのは珍しいと思う。
よく、運動部のやつらは遠征に行ってたが、運動部は結局のところ競技する「敵」としての関係から始まるのだろう。
しかし、我々はひとつの音楽を作る「仲間」として集まる。
そして、「音楽」という言葉ではないスピリットを皆で表現するのだ。
太極拳の大先生がおっしゃった言葉で忘れられないものがある。
「太極拳を教える時に、一番適している言葉はなんでしょう・・・・
中国語ですか? 英語ですか? ここは日本なのでやはり日本語ですか?
どれでもありません。 笑うとか、泣くとか・・怒るとか・・・そんな言葉が一番大切なのです」
というものだ。
当時、指揮などという分不相応なことをやって、賢しげに人にモノを言っていた私はこの言葉にうちのめされた。
それに、私は犬を飼っているが良く思う。
こいつらには言葉はない、だからウソのない関係でいられる。
そう、言葉ではないモノを共に表現した仲間というのは 色々な意味で生涯の付き合いが出来る人達だとおもうのだ。
だからして、この日の宴会は盛り上がらざるを得ない。終わる頃には何人も床をベッドにしている。とても幸せそうに・・・・
伸びているやつの腕を枕にしている者までいた。赤松君とか・・・
後日聞いたら、宴会には20数名いたそうだ。
で、空いたワインのマグナムボトル(1㍑)は21本。
1人につき1本? でもその程度は飲んだ自信がある。
またちょくちょくこんなことがあれば嬉しい、タイヘンだけどまた宜しくな、木田村君とか。
お歳暮あげますので・・・・
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