こんなに笑えるクラシック音楽があったのか?
最近人気の漫画にこうかかれているが。
いえ、クラシックは笑えるんです。
学生時代、こういうことがありました。
以前にも書いたが、私は大学のオーケストラの他に、日本中の医科大学の有志を募って結成される、全日本医科学生オーケストラ、通称医オケにも入っていた。ここでは大学とは違い、コントラファゴットという楽器が専門だった。
凄まじく低い音が出る、魅力だ。
しかし、この楽器 とても大きい、そして出番が少ない。そのことがこんな事件を引き起こした。
その年のメイン曲は サンサースの第3番オルガンつき 場所はなんと東京芸術劇場 初めてステージの上で聞いたパイプオルガンの音はすばらしかった。
本番の前は1週間ちょっとの合宿を行う。このときは長野だったかな?山だった。避暑にもよさそうな、割と涼しいところだ。ここで、色々な大学からの参加者が、集い 楽器を吹き 夜は酒を飲む。楽しい
山なので、冷房が入っていない。少々暑いが必要はないのだ、だから気付かなかった。この後起こる喜劇に・・・・
少々辛くも楽しい合宿も終わりを迎えつつある本番前日、山を降りて芸術劇場のある東京に着いた。
奇しくもその日は その年一番の猛暑、山から降りてきた我々には暑いなんてものではない、苦しかった。
しかし、演奏場に入れば快適 エアコンが効いていて冷え冷えしていた。
その中でリハーサルが始まる。本番を翌日に向かえ緊張だ。
オルガンつきは綺麗な曲だった。コントラファゴットの低音が他の楽器と綺麗にハモるところがある。だが
「ボヘ~~~」
??なぜ、おかしい何だこの音は。 ジャイアンが実在すればブラボーというだろうか? という感じの音がした。
鬼のパートリーダー蜷川さんがこちらを睨んでいる。席が二つとなりの同パートの赤松君が必死に親指を突き立てて合図を送ってくる(もっと音程高く)と。
そう、音が低いのだ。しかもとんでもなく、なぜ?合宿中はこんなことなかったのに。
答えはすぐわかった。
合宿所になかった冷房だ。出番の少ないコントラファゴット、その大きな楽器全体が冷えたのだ。楽器は冷えると音が低くなる。
2度やったが同じだ、低い ハモらない。そのたびに赤松君は親指を立てて合図をくれる。
いや、わかってる。わかってるねんでオソマツ君。
結局その日は音程が低いまま終わった。
いよいよ明日は本番。
本番前に蜷川さんが皆を集め激励する。一人ひとりに指摘、私の番になった
「お前はあの部分の音が・・・・
わかってる。あとは、楽器を冷やさないようにしてなるべく高く吹くしかない。
理論的にはそれしかない、あとは実行のみだ。だからして、この場はギャグで押し通し雰囲気を和やかにするしかないだろう、明日本番だし。
蜷川さんの言葉をさえぎり言った。
「大丈夫です!」
「明日はホームランや」って励ましてくれました。」
笑 「ちゃうわ!」
赤松君が一人だけ怒りました。
いや、本当にわかってたんだよ、赤松君。
その後の彼は、音が低い時と
中指を突き立てるようなヤツになってしまいました。
あ、ちなみに本番はギリギリセーフというとこでした。
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